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Facebookの国内利用者2,100万人はどこまで伸びるか?

日本国内のFacebook利用者数は2013年9月時点で約2,100万人となっています。

Facebookでの全世界の利用者数は12億人を超えていて、米国をはじめとするいくつかの国ではすでに飽和状態に達しているため、今後は日本をはじめとするアジア諸国での利用者拡大に注力するものと見られています。

さて、では国内のFacebook利用者数はどれくらい伸びていくのでしょうか?
サービスなどが市場に浸透していく際にいくつかの段階があることを示したイノベーター理論というものがあります。

この理論ではユーザーを5つの段階に分けて考えます。先進的に新しい物をリスクを取って取り入れるイノベーター(2.5%)、比較的新しい物に抵抗がなく、インフルエンサーと成りうるアーリーアダプター(13.5%)、比較的慎重で、様子を伺ってから手を出してみるアーリーマジョリティ(34%)、新しいものに懐疑的な姿勢を示して、大多数が利用してから自分も試みるレイトマジョリティ(34%)、そして、新しい物に手を出さず、イノベーションが伝統となるまで採用しないラガード(16%)によって構成されています。

そして、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にはキャズム(深い壁)が存在し、これを超えるのは容易ではないとされています。

日本のインターネット人口は総務省によると9,610万人(平成23年度末時点)と発表されていますから、実はFacebookは既にキャズムを超えており「アーリーマジョリティ」に達しているものと思われます。実際にFacebookに投稿される内容を見ると、以前はビジネス色が強かったものが今では旅行や子育てなどプライベートなものが投稿されるようになってきているのを感じます。

キャズムを超えたということは、さらに利用者数が拡大する余地があるように思えますが、そこには一抹の不安があります。Facebookよりも国内で利用者数が多いソーシャルメディアはYouTubeとLINEで、両者とも利用者数が5,000万人を超えています。YouTubeはソーシャルメディアというよりは動画を閲覧するという側面が強いので、ソーシャルメディアの競合してはLINEと考えられます。

ここでFacebookの利用率が高い国を参考に見てみると、人口が7,000万人のトルコは、なんと3,300万人が利用しており、国民の約半分がFacebookユーザーなのです。そして、トルコにおけるFacebookの利用方法は、家族や親しい仲間間でのコミュニケーションであり、親戚や祖父母といった肉親との連絡ツールとしての側面も持っているのです。

一方の日本では、Facebookは人間関係を広げたり周囲の話題を収集したりする目的で使われることが多く、家族や親しい友達との連絡には主にLINEが使われていることが多いと考えられます。こういった背景を見る限りでは、今後Facebookがソーシャルメディアとしてユーザー数を伸ばすのは容易ではないと考えられますが、新機能や買収などを含めて今後の施策に注目したいところです。
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