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FacebookとTwitterに見る戦略の違いとは

FacebookとTwitterは、同じような時期に登場してともに注目を集めてきたソーシャルメディアですが、それぞれ異なるプラットフォーム戦略を取っていることで知られています。

今回は両社の戦略の違いについて考察してみます。

両社ともAPIと呼ばれるソーシャルメディアを制御するためのプログラムをサードパーティ向けに提供しているのですが、この提供形態に戦略の違いを見て取ることができます。

まずFacebookにはどのような特徴があるのかと言うと、先日行われたカンファレンスで発表した内容に顕著に表れているのですが「APIの大幅な変更を行う場合には2年前に発表を行う」としている点です。

サードパーティの会社はソーシャルメディアなどが提供しているAPIを使ってアプリなどのサービスを開発していますので、そのAPIのルールが突然変わってしまうと対応が間に合わずサービスに影響が出てしまうことがあります。今回の発表はそのようなサードパーティの負担を軽減するような戦略と言えるでしょう。

一方で2012年、Twitterが発表したAPIの変更内容はサードパーティーに激震をもたらしました。アプリケーションの中には、Twitterのアカウントを使ってログインさせているものが数多く見られますが、そのアカウントの上限数を10万アカウントに制限したのです。
厳密にはTwitterが発行するトークンの数を制限するという発表でしたが、説明を簡略化するため本記事ではアカウント数として解釈します。

その時点でTwitterアカウントでログインする方式を採用していて、アカウント数が10万を超えるアプリはかなりの数に上っていたと思われます。しかし、その発表から実施までの期間は半年しかなく、10万アカウントを超える場合は個別にTwitterに相談をしなければならない内容だったのです。

その後Twitterは画像、動画、テキストをTwitter内に配置出来るTwitter cardsなる機能を発表します。これは、Twitterに貼られたコンテンツリンクの内容をTwitterのタイムラインに表示できる機能です。以前は各種サードパーティーのTwitterクライアントでも実現していたことですが、それをTwitterが提供するアプリに集約しようとする試みです。

こういった両社の戦略の違いは収益の差から来ているものと考えられます。

Facebookはリアルなソーシャルグラフを構築している分、ターゲティング広告が上手くいっているため、第1四半期の売上げは前年を72%も上回る25億200万ドルとなり好調を維持しているようです。一方のTwitterはどちらかと言えば匿名の要素が強いサービスであり、広告商品もサービスの特性上プレーンなテキストリンクになるため、なかなか広告収益が上がらないのが現状です。

2013年10~12月期の売上高は、2億4,300万ドルと前年同期比で2倍となっているものの純利益は5億1,200万ドルの赤字となっているのです。このような背景から、自社クライアントへの誘導やユーザー体験のコントロールを強めようとしているのかもしれません。

果たしてこの戦略が功を奏するのかどうか、この先数年の動向が注目されます。
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